小児皮膚科

小児皮膚科とは

小児皮膚科

小児皮膚科は、お子様の皮膚に生じた様々な疾患の治療やケアを専門的に行う診療科です。お子様は成人と比較して皮膚の状態が薄くて繊細であり、皮膚のバリア機能もまだまだ未熟です。そのため、角質の内側の水分が蒸発しやすく、細菌や有害物質が皮膚の奥にまで侵入し、頻繁に皮膚のトラブルが出現することも少なくありません。

当院では、こうした小児期の皮膚疾患について、お子様一人ひとりの症状を適切に見極め、丁寧な治療を心がけております。また、非常に繊細なお子様の皮膚が細菌などに感染するリスクを減らすため、必要となる肌ケアの方法などもアドバイスしておりますので、お気軽にご相談ください。

このような症状の方はご相談を

当科で扱う主な疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎になると、お肌に痒みを伴う湿疹が出来てしまい、その状態が良くなったり悪くなったりを繰り返します。遺伝的な体質に加え、環境要因が影響して発症すると考えられています。皮膚が乾燥しやすい素因とアレルギーを起こしやすい体質を併せもっているお子様は、アトピー性皮膚炎になりやすいと言われています。

治療に関しては、薬物療法が中心となります。外用薬としては、ステロイドや免疫抑制薬の塗り薬があります。ステロイドの塗り薬には炎症を抑える作用がありますし、免疫抑制薬の塗り薬は過剰な免疫反応を抑えます。痒みを抑えるため、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に用いることもあります。どの薬をどのように組み合わせて、どのくらいの量を使うかは、担当の医師がお子様の皮膚の状態をよく診て判断します。

じんましん

じんましんは、丸っぽい形をし、わずかに盛り上がったみみず腫れが突然出現し、数分~24時間以内に再び消えていく皮膚疾患です。痒みを伴うことが多いのですが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みが生じることもあります。かさつきは見られません。じんましんを引き起こす原因は、食べ物、内服薬、細菌やウイルス感染など様々ですが、はっきりとした原因がわからないことも少なくありません。そのため、主に抗ヒスタミン薬を使って治療を進めます。重症のケースでは、免疫抑制薬やステロイドの内服薬を用いたりもします。多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、徐々に薬を減らしていくことが大切です。

乳児湿疹

乳児期には、皮脂腺の多い頭や額、お肌が擦れる部分に黄色いフケが出たり、カサカサした紅斑ができたりする事がよくあります。これが乳児湿疹です。乳児アトピーとの鑑別が困難なケースもあります。詳しい原因はまだ明らかになっていませんが、皮脂による刺激や、毛包脂腺系に常在するマラセチアという真菌が関与しているものと考えられています。小児では生後1ヶ月頃から皮脂の分泌が亢進するので、この頃から乳児湿疹が見られるようになり、頬、額、耳の周辺などに赤いブツブツが出現します。しかし、6ヶ月頃からは次第に消えていきます。症状に気づいたら、まずは小児科を受診しましょう。

伝染性膿痂疹

皮膚への細菌感染によって発症し、人から人へとうつる疾患の一種です。痒みを伴うため、皮膚を掻きむしってしまうお子様も多いのですが、そうすると手に細菌が付着し、水ぶくれがあっという間に全身へと広がります。こうした様子が火事の飛び火に似ているため、「とびひ」とも呼ばれています。伝染性膿痂疹には、水ぶくれが生じるタイプと、かさぶたができるタイプの2種類があります。

治療にあたっては、主に抗菌薬を使って細菌を退治します。また、必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、亜鉛華軟膏なども用い、痒みや炎症を抑えます。ひどくならないうちに治療を始めると、より早く治せるので、まずは小児皮膚科をご受診ください。