舌下免疫療法
舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となっている物質を少しずつ体内に投与することにより、徐々にアレルゲンに慣れていき、アレルギー症状の改善を目指す治療法の1つです。従来はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する皮下免疫療法が一般的でしたが、最近は少量の治療薬を舌の下に投与する舌下免疫療法が登場し、より簡便に行うことが出来るようになりました。保険診療の適用範囲も拡大し、スギ花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎のみならず、ダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎も保険で受けられます。
なお、スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期はアレルゲンに対する身体の反応が過敏になっていますので、新たな治療を開始することは出来ません。他方、ダニアレルギーの場合は、いつでも時期に関わらず治療を始められます。
舌下免疫療法の奏効率
舌下免疫療法を2年間にわたって行うと、約5割の人で花粉症の症状が軽くなり、2割の人で症状がほとんど出なくなると言われています。但し、残りの約3割の方は、残念ながら効果が殆ど見られません。そのため、事前に患者様と主治医がよく話し合った上で治療が進められます。
具体的な治療の流れ
- 服用の準備
- 医療機関を受診する2時間ほど前から、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けておきます。
- 問診
- 医療機関において、まず初めに問診を行い、患者様の症状を確認します。
その上で、担当医師から舌下免疫療法の内容についてご説明いたします。
- 初回の服用
- 薬は、毎日1回ずつ服用するのですが、初回は医師による監督のもとで行います。
(治療薬をいったん舌の下に置き、一定時間保持した後に飲み込みます。詳しい内容は、治療の際にご説明いたします。)
- 服用後の留意点
- 治療薬を飲み込んだ後、5分間はうがいや飲食をひかえます。
また、服用後2時間程度は激しい運動、アルコール摂取、入浴などを避けるようにします。
- 2回目以降の服用
- 2回目以降は自宅にて服用します。
(なお、副作用が見られた際は、医療機関までお問い合わせ下さい。)
- 定期的に医療機関を受診
- 1か月に1回程度は医療機関を受診し、症状に改善が見られるか、または悪化していないかを確認いたします。
- 数年間にわたり継続して服用
- 症状が改善したように見えたとしても、アレルゲンに対する反応が無くなったとは限りません。通常は2年以上の治療が推奨されます。
(治療期間は患者様によって異なります。)